新年のご挨拶

新年のご挨拶

長崎 道ノ尾病院 精神科 新年のあいさつ

昨年は、各関係者の方々には大変お世話になり、ありがとうございました。元旦に能登半島地震が発生してから早いもので1年が経ちます。同地方では9月にも豪雨被害が起こりましたが、その他にも大雨や台風、地震など、各地で災害が多く発生しており、日本は天災が多い国であると改めて感じています。今後も自然災害が減ることはないと思われ、災害時に備えることの重要性を再認識しています。

2020年より続いてきた新型コロナ感染症も、2023年5月に5類感染症に変更されたことで、昨年は世間の行動がコロナ前に戻り、病院職員や患者さんの行動も自由になった部分がありました。しかし、依然として自由に動きにくい雰囲気が残っているように感じます。コロナを含む感染症が消失することはないと考えると、今年以降も適切な予防対策が必要になるでしょう。

また、昨年は診療報酬、介護報酬、障害福祉改定の同時改定が行われ、6月より施行されました。医療機関では物価高騰に対応した医療従事者の賃上げのための加算が行われましたが、医療機関にとっては優位な部分は少ないようです。
少子高齢化が進む中で、働く世代の人口は減少しており、特に長崎県ではその傾向が顕著です。医療機関や介護事業所での人手不足は深刻な問題となっています。一方で、人口減少の中でも精神疾患を持つ方の受診者数は増加しており、認知症やうつ病、不安障害、発達障害などのストレス関連障害が増えているため、外来機能の充実が欠かせません。

2040年に向けて、精神科医療機関が新地域医療構想に組み込まれることになり、いよいよ精神科病院にも厳しくなってきそうで、より地域で必要とされるような医療を行うことが求められてくると思われます。今年もどうぞよろしくお願い致します。

理事長兼院長 松本一隆